アフリカGSおじさんのブログ

CRF1000LとR1250GSAに体力吸われているおじさんのブログです。

開かずの国道・楢峠ツーリング

久しぶりに酷い場所(正直者)に行ってきたゾ〜。

岐阜と富山の県境にある楢峠は国道471&472号の重複区間
雪深いところにあるため1年のうちやく半分は冬季閉鎖、そしてしょっちゅう崩れて通行止めになるので「開かずの国道」などと呼ばれているらしい。ついでに道の過酷ぶりから全国有数の酷道としても名高いそうな。

そんな楢峠が通行止め解除で県境をこえることができるようになったとTwitterで知りました。アドベンチャーバイク乗りとしてはアドベンチャーしないといけない(使命)ので、これはもう行くしかない。ちょうど岐阜方面行きたかったし。

mokuzai.hatenablog.com

ちなみに私が行った翌日、かの木材兄貴も富山側から突っ込んだ。しかも雨の日に。あの落ち葉絨毯の急坂おりていったのか・・・。ド変態だぜ(褒め言葉)。

という訳で、朝4時出発、中央道を西に伊那ICまで。
途中諏訪湖SAで朝食。ここは朝7時から朝食バイキングやっているのでオススメです。フードコートのそばとか丼物とかパンとか食べるよりも健康的。

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権兵衛トンネルを通って国道19→361号で高山市に向かいます。
開田高原を走ると毎度気持ちイイ〜。つーか寒い。夏は終わりましたね。

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ここまではキレイなツーリングですね。
国道361号開田高原を抜けて長峰峠に入るまではそこそこいい快走路なんですよね。毎週走っても多分飽きないくらい。そば屋さんなんかもありますし。

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いつもの場所で御嶽山と1枚。

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2時間くらい走って高山市に至り、国道41号に合流。
高山本線と併走して高山国府バイパスを北上します。

あの山の向こうが富山県高山本線は山の中分け入って宮川沿いに猪谷へ抜けていきます。ほぼぴったり併走する41号はさすがに山間部は狭い道ですがバイクもそれなりに走っていてツーリングコースになっているようです。ていうか私も41号で趣のあるツーリングしとけばよかったなと後々思うのであった。

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重複していた国道41号と471号の分岐にきました。
ここから国道360号(天羽峠・白川郷に通じます)との重複区間を少し進むと楢峠に通じる河合側のゲートに至ります。そういえば天羽峠走破し忘れてました。残念。

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高山本線の角川駅付近から山の中に入っていきます。
国道471/360に入るのは角川駅の標識が目印です。

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しばらく走るとこんな感じの不穏な標識があらわれます。
ここを直進すると幸せになれます。

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私道じゃねーのこれ?という分岐が国道471/472重複区間楢峠への入口です。もうさっそく嫌な雰囲気が漂ってきますね。

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ゲートらしき地点に到着しました。
もう片付けてもどうせすぐに引っ張り出すことになるだろって感じで通行止めの看板がデフォルトで置いてあります。通行できるときはガムテープで隠せばいいやってかんじの対応がこれからの酷道っぷりを感じさせます。

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走り出して最初の橋を渡るとヘアピンカーブが続き標高を上げていきます。
少し走り始めるともうこんな感じ。白状すると当初は完走する気などなく、険しすぎるのはYouTube動画で見てわかっていたので入口付近を偵察して引き返せばネタ的には十分だろって思ってたのです。むしろ天羽峠を抜けて、折り返し高山に戻って帰路につこうと思ってたんですよね。

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ところがですね、この急坂ヘアピンカーブがめちゃクソにくせ者で路面の真ん中に草生えてるし、苔はビッチリだし、濡れ落ち葉の絨毯になっているところに加えて角度が急すぎるし崖だしガードレールなんかないし、ネガティブ要素だらけで引き返しておりていったら転びそうで前進するしかなくなったのが実情です。

富山側から岐阜に抜けると、あの腐れヘアピンカーブをおりていくことになり(しかも濡れた路面で)木材兄貴すごい。私なら行かない(素直)。

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それ以外は濡れ落ち葉と苔と谷側の崖(ガードレールなど保護するものはほぼなし)に気をつけていれば、砂利道をそのまま舗装したような腐れ路面はアレなものの、全通したばかりで一応メンテナンスされていたのか落石の類いもあまりなく、ちゃんと前見て走っていれば大丈夫なんじゃないかと思います。

ただし道幅がほぼ乗用車一台分しかなく、路面の真ん中は大体草が生い茂っており、その左右に苔と落ち葉が配置されているため時速20キロ以下で走り、曲がるときも直立不動の姿勢でできる限りバイクを寝かさないように曲がることを大推奨します。

たまに少し調子に乗って加速できるところがありますが、そういうところに限っていきなり落ち葉だらけとかになり後輪を滑らせて恐ろしい思いをすることになります(なった)。また、うっかり崖側に転ぶと、冗談でも何でもなく落ちて死ぬ確率が高いです。あたりまえのように携帯の電波も入らないし、熊目撃の看板とかもあるし、地元の人の生活道路にもなってないくらい寂れているので、行くなら本当に気をつけて走行してください。誰か事故って死人が出たらそのまま廃道になりそうな気がします。

下の写真、わかりにくいですが右まんなかあたりが道路です。
これが国道・・・!!ジャングルじゃないの?

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箱根登山鉄道ばりの急坂。
こういう急坂をガンガンのぼって(あるいは下って)いくので初心者連れとかは絶対やめたほうがいいです。エンストで転けてごろんと一回転したら崖に落ちたとか普通にありそう。わかってる人のみ来い。

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お地蔵&写真のような看板があるところが楢峠です。
草むらの中に熊とかいそうで1秒もとまっていたくないです。
GIVI箱に休憩用の飲み物とお菓子を備えていたのですが、そんなもん喫食して気が抜けたら後半戦で事故りそうだったのでさっさと前進することにします。ちなみにここはまだ岐阜県で、地図をみると県境はもっと奥になるようです。

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とかなんとか、おっかなびっくり走っていたのですが、峠をこえたあたりで金沢ナンバーのOYJが乗った車と出会い、河合側のゲートが開いているかとか情報交換したり、滋賀ナンバーの軽自動車に追い抜かれたりして、日中であれば多少なりとも交通量があり、転けても崖から落ちなければ最悪助けが呼べる可能性があるということがわかったら気力が出ました。もっとも私含めて3人のみでしたけれども。

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あ、これが木材兄貴の記事に出ていた分岐か〜。
先が気になるどころか、なんで富山市街と南砺までの距離があまり変わらないのか理解できない。あとで走って実感したけど南砺市広すぎ。

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たまーに電波が入ってナビアプリが復活します。

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ここに比べれば国道152とか酷道どころか高速道路なんだよなあ。

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おにぎりも多分雪のせいでメチャクチャになってるのが多い。

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おそらく富山県に入ったと思うのですが、こういう道には気をつけましょう。最徐行で進入しないと転けると思う。こんな感じのシチュエーションだらけです。

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で、こうなる。
湧き水多し。洗い越しはないとは思うものの、それっぽいくぼみのある個所はありましたね。どのみちバイクは汚れます。覚悟しましょう。

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左側、草が生い茂ってるだけに見えますよね。

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実際はこうです。
落ちたら死ぬ!の看板はここにも備え付けた方がいいと思いますね〜。

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こんなの落ちたら這い上がってくるのは無理!

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まあ、アドベンチャー感はモリモリにあります。
ガレ場林道=アドベンチャーは違うだろ、と考える人にはかなりしっくりくる道だと思います。後半戦は感覚が麻痺して走るのが楽しくなってました。

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うっかり左に転ぶと落ちるでしょ?人生ゲームオーバーですよ。
これをアドベンチャーといわずなんと言う。

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沢みたいなところもあれば、こんなに高い崖もあります。
都心ではまず考えられない環境を走れるので貴重な体験はできます。

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やっと富山県側のゲートを抜けました。楢峠完走です。
のろのろ走ったので1時間半までは行かない程度の時間がかかりました。
緊張しっぱなしで走ると逆に疲れないものですね。

このちょっと先に大長谷温泉(といっても1件しかない)があり、ようやく人が住むところまで戻ってきました。

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ここは八尾町。なんと富山市
41号に合流して神岡から平湯経由で帰るか、
利賀から156号で高山経由で帰るか悩みましたが
ナビに従う限りだと156号経由の方が選択肢ありそうなので利賀に向かいます。(いま思うと41号経由の方が早かったかもしれない。)

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南砺市利賀村に入りました。なんか路面が川になっているような場所が多くて強制洗車モードです。利賀は山の中に道がぐるぐるしており(幼稚表現)迷いました。471号を走っていたつもりなのですが、156号側に寄せていくと山道を走るようになり結構な時間を食ってしまいました。

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しかし楢峠のひどさの後に走る普通の道路は快適すぎて道志よりもちょっとひどいクラスの山道でも快走路だな〜って思えて面白いですね。
ごく普通の舗装路にありがたみを幹事長・・・。

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利賀村を抜けて国道156に合流しました。
ここからはもう何度も通っているので安心。
とかいいつつ、白川郷ICから高山ICまでワープすればよかったのにバカみたいに庄川ICまで下道を走ってしまい、余計な時間を食うことに。

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高山市街に戻りました。
帰宅ルートは3つあって、1. 下呂方面まで下って中津川市を横断して国道19号に入って木曽路を北上、伊那か塩尻から帰る 2. 往路と同じ開田高原経由 3. 平湯から安房トンネル経由で松本から帰る のいずれか。

1番目は遠すぎて論外。2番目も時間かかるので却下。と言うわけで平湯経由でかえりました(神岡経由で帰ったほうがよかったなと思う所以)。このルートは途中の上高地も含めて観光バスや車がガンガン通るところなので渋滞していたら嫌だなあと思いつつ走ってみたところ、意外なことに松本ICの手前以外は道もさほど混まずに行くことができました。

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散々書き散らしましたが、楢峠区間は林道の看板に書いてあるような常識的な走行をすれば普通に走り抜けられます。人口の少ない地域を結び、途中は当然のように人家はなく、山中の酷道険道によくある謎の耕作地もないので、地元の人が畑をメンテにくるようなこともなく、私のような物好きを含むごく少数の人しか利用しないので、遠くない将来廃道になってもおかしくないと思います。なので「今のうちに行ってみる」という考え方はありよりのあり。

が、しつこく言いますと、この区間を走る際は、場所によっては立ちゴケしただけでも死ぬ可能性があるということを肝に銘じておく必要があります。

温見にあった伝説の「落ちたら死ぬ!」看板は伊達じゃないと思います。